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Sent: Friday, June 01, 2001 3:52 AM
Subject: チェコのダニ情報(チェコの風土病)


Ceske Budejovice 在住の朝比奈さんからのMailを抜粋しています。


チェコ語でkliste(クリシテェ)と言わ れているもので、日本脳炎と似た“初夏脳炎”と“ライム病”の2種類の病気を媒介 します。

このダニの発生時期は4月から10月(ピークは6月と10月)です。場所は、木や 芝生、草むらにいます。虫除けスプレーも効果があるようですが、服や頭に落ちた
も のが時間をかけて皮膚の柔らかいところを捜し求めて移動するようです。
病気を持っているダニの割合は、1%ぐらいと言う人からいやもっと高いを言う人ま でまちまちで、はっきりしたことは分かりません。南ボヘミアはチェコの中でも比
較 的割合が高いと言う話も聞いたことがあります。

 こちらの子どもは、親の任意でワクチン接種(脳炎)をしているようです。アウトド ア派の家族では奨励しているようです。
カイヤックをやっている息子さんのいる所長 に聞いたら、息子はよくキャンプするからワクチン受けてるよと言ってました。

1歳 以上から接種可能です。ただ、1回目のワクチンを受けてから2回目の接種までの間、(特に最初の3日間)は絶対にダニにかまれてはいけないので(医者によって 庭に出るのも禁止するらしいです)、冬の間(4月前)にするのが通例のようです。
予防接種をしていない場合でも、かまれて96時間以内にグロブリン摂取をすれば脳 炎の発病は防げます。ですから、この夏はかまれないように気をつけてのりきる方が 無難かもしれません。人によって判断が分かれるところです。

 予防接種について(卵アレルギーのある人は接種前に医者に報告したほうがいいで す。)
 回数    1回目(2回目の注射までに、ダニにかまれないように)
            2回目(1回目から1ー3ヶ月以内)
            3回目(2回目から9ー12ヶ月以内)

 2回受ければ、1年以内にかまれた場合の95%、脳炎を予防できる。
 3回受けると、3年間有効。その後3年ごとに追加接種。

 “ダニ脳炎に対するワクチン接種”はチェコ語で、
 “Ockovani proti klistove encefalitide.”(チェコ語特有のアルファベットが メールでは書けないので、完全ではないですが、発音は、オチコヴァーニー プロ
 ティ クリーシテォヴェー エンセファリティデェ)

 ライム病の方は、ボレリア菌によるものなので、抗生物質を飲めば治ります。
血液検 査で分かります。ずっとへんな風邪だと思っていたら実はボレリアがいたということもあるようです。

 病気の症状について

 脳炎
 潜伏期間 7ー14日間
 病期1期    38度ほどの発熱など風邪症状(2ー4日)
 無症状期    約8日間
 病期2期    感染後2ー4週間、高度の発熱、髄膜炎、髄膜脳炎などの神経症状。
 後遺症     頭痛の長期継続、不全麻痺・筋萎縮

 ライム病
 潜伏期間 3ー30日(独特の紅斑らしいので、見る人が見れば分かるようです)
 病期1期 遊走性紅斑(場合によっては遊走性は見られない人も)、リンパ節の腫脹 やインフルエンザ様の症状
 病期2期 数日から数週間後、2次性遊走性紅斑、髄膜炎、関節痛など
 病期3期 1ー数年後慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、角膜炎など

私の場合、このダニと病気についてよく知っている人に相談したら、病気を持ってい る可能性はそんなに高くないし、グロブリン接種を受けるのも一苦労なので(病院
の 手際が悪いと言うことみたいで)、ボレリアだったら抗生物質があるし、運悪く脳炎 が発病したら後遺症が残らないようによく食べて抵抗力つけて安静にすれば大丈夫だ と思うよと言われました・・・ちょっと心もとない提案ですが、私はアウトドア派で はないのでとりあえず様子見といったところです。今回感染していないのを確認して から、ワクチンを打つつもりです。

基本的には、毎日シャワーを浴びてかまれていないかどうか確認するのがいいと思い ます。かまれているのを見つけたら、無理に引っ張って取ってはいけません。ダニの 頭が中に残って膿んでしまいます。そうすると外科手術が必要なので。 とは言って も、チェコ人は毎日お風呂という習慣も無いですしキャンプ中だったら川で泳ぐぐら いだと思うので、かまれているのを見つけたらホストファミリーあるいはコーチに告 げれば、どうしたらいいのか知っていると思います。